たまいろ日記

BL感想ブログ

「炎の蜃気楼邂逅編 真皓き残響 夜叉誕生(上)」【ネタバレ感想】桑原水菜

ついに始まりました、ミラージュ邂逅編!!

自分は第三部まで読んで、まだ四部を読んでない状態での邂逅編突入です。

炎の蜃気楼 邂逅編 真皓き残響1 夜叉誕生(上) (集英社コバルト文庫)

邂逅編の舞台は本編から400年前。御館の乱から4年後、換生した景虎様と直江との出会い、上杉夜叉衆が集結するまでのストーリー らしいです。

イラストレーターも邂逅編は別の先生なのか。

ほたか先生の絵も大好き。時代小説である邂逅編にぴったりの絵柄。

イラスト関係ないけど、「ほたか乱」って名前も綺麗だなぁって思う。

ミラージュの絵はどの絵師様が描いてても絶対に好きになる。

久々の挿絵があるミラージュで、違和感がすごい。

 

 

あらすじ

現代から遡ること四百年。戦国時代。越後では、鮫が尾城の怨霊の噂が広がっていた。家督争いで敗死した敵の大将・景虎。彼が景勝への怨みを抱え、城へ近づく者をとり殺し、様々な災いを招いているのだと。そんな景虎を鎮め導くため、僧侶がひとり鮫が尾城へ向かうが…!? 景虎と直江。“運命のふたり”が出会い、壮絶荘厳な物語を紡ぎ始める。もうひとつの「炎の蜃気楼」がついに登場!

御館の乱から四年後

舞台は越後。新潟ですね。

色部さん登場。本編では今のところ全然出番なかったから嬉しい。

景虎様、主人公なのにこんなRPGのラスボスみたいな登場(笑)

戦国時代なんだから当たり前なんだけど、景勝めっちゃ外道。

こんな奴が譲の前世…?ってかアイツ、景勝の生まれ変わりってだけじゃなくてなんで弥勒菩薩もプラスされてるのか、未だにイマイチ分からない。

やってることなかなか外道なのに、なんで弥勒菩薩?程遠くないか?

兄弟の家督争い怖すぎるよ…

悪いラスボスを退治する主人公としか思えないくらい主人公ポジションの色部さん。

色部さんの耳がちぎれ飛んだのグロすぎ…

さすが主人公。たとえ400年前だろうと、怨霊だろうと、強すぎる。

謙信と景虎がこうして会話してるのなんか感動。

本編だともうこの親子の会話って聞けないし…

 

 

景虎の怨霊

景虎様、初めての換生。

なんかこうして書くと、はじめてのおつかい♪みたいなノリに聞こえる。

邂逅編ってちょうど第三部書いてる時と同時期に始まったんだっけ。

本編では景虎様が上杉の大将を辞めさせられ、怨霊の仲間になって死に急ぐように戦ってる一方、こちらではなぜ景虎が怨霊調伏するようになったかの「全てはここから始まった」話が始まったのもすごいな。

結局謙信は、臨終の際、後継はどっちって言ったんだろう。

なんで答えてあげないんだよ(笑)答えてあげろよ。

まぁそんなの今となっては重要じゃないってことなのか。それはこれからお前の行動で示して見せろ、みたいな?

初めての換生が囚人だったもんだから、いきなり囚人牢。

初めての換生が佐渡島で明日処刑される囚人って(笑)

越後の人達を救うためにも大切な使命があって地上に戻ったんだから、もうちょっと動きやすいような人選べよ謙信!

もっとマシな奴おらんかったんか?なぜそんな面倒な奴チョイスしたんや。

新しい身体で精神を病む景虎様。ご飯すら食べられない。

やっぱ神経質で繊細なところは高耶さんだなぁ…と。400年経っても全然変わんないね!

色部さんが「人は生まれてくる時に肉体を選べないのと同じだ」と叱咤してくれたのはよかった。

景虎様初めての換生でそばに色部さんがいてくれて本当によかったよ…

その後の景虎様の覚悟を決めたかっこいい行動や、たまに見せる弱いけど刃のように鋭く激情的な言動も、「やっぱ高耶さんだなぁ。」って思った。

 

 

二人の後見人

色部さんの他に、謙信直々にご指名した二人の後見人。

晴家さんと直江。

これには景虎様も困惑&大激怒。

なぜよりにもよって敵をチョイスするの(笑)

直江が死ぬ時の描写が生々しくて臨場感たっぷりだった…

さっきの景虎様の恨み憎しみ描写もそうだったけど、桑原先生のクセが強くてくどい文章すごい好き。

ミラージュ初期は、クセ強いしモノローグ長くて読むの大変だったけど、今となってはこれがないとミラージュ読んだ気にならない(笑)

直江的には、景虎様はマジでどうでもよかったんやね。

でもその景虎によって、今後人生を大きく狂わせられるんだよなぁ(人生っつーかもう死んでるけど)

「次回、これがこの俺・直江信綱と、生涯の推し・上杉景虎様との出会いだった」ってナレーション入れてほしい(笑)

直江と景虎様の関係を、「推し」って表現するのは絶対間違ってるけど。

そんな単純な言葉では言い表せない関係なんだよなぁ、この2人は。

 

 

まとめ

相変わらず血肉の通ってるような文章の表現力で惹きつけられた。

もう私にとっちゃ桑原神だよ…堂々と胸を張って好きと言える物書きに出会えてよかった。

これ、ミラージュ関係なしにひとつの時代小説としても十分面白いと思う。(時代小説といっても、サイキック要素入ってるけど)

景虎様初めての換生で後見人が色部さんだったのは、景虎様が死ぬ原因となった御館の乱で関わりがなかったからなのか。

次回、二人の後見人とどんな風に出会うんだろう。

晴家さんはまだ景虎側だったから安心だけど、直江とは多分尋常じゃないくらいギスギスするだろうなぁ。

景虎・晴家 vs 直江 でバチバチになって、色部さんが「お前ら落ち着け!」ってなだめる展開になりそう。

一瞬、「なんで作者のあとがきないんだ?」って思ったけど、もともと出てた書籍を文庫本にした時に、上と下で分かれて出されたからか。