たまいろ日記

BL感想ブログ

ここから始まる壮大な愛憎劇!「炎の蜃気楼」【ネタバレ感想】桑原水菜

20巻まで読んだけど、期間が空いたので再読。

20巻までのネタバレが少しあるかもしれないのでご注意ください。(極力避ける予定だけど)

始めの数巻は男同士のあれこれは薄くて、普通のサイキックアクションものって情報を見てたから

「ほーんそうか〜」と普通にバトルものとして読みました。

炎の蜃気楼 (集英社コバルト文庫)

この表紙懐かしいな〜

ページめくるといきなりカラー!!

最初は絵が多めだったけど、巻が進むにつれてだんだん減っていった記憶ある。(寂しかった…)

あらすじ

武田信玄の霊を封印した《魔縁塚》が、何者かによって破壊された夜――高耶(たかや)の親友・譲(ゆずる)は、火だるまになる夢を見た。「ようやく見つけましたぞ、お屋形様…」譲に忍び寄ってくる武者たちの亡霊…。強力な霊によって憑依されようとしている譲を救おうとする高耶は、不思議な《力》を使う直江と出会った。自ら何百年も生きた換生者(かんしょうしゃ)と名のる直江は、高耶に前世からの宿命を告げるのだが…!?

https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/148653/A000107187/

 

 

冒頭

そうそうこんな始まり方だった。

時代物(とは少し違う気がするけど)ってことは全然知らなかったから

いきなり「お屋形様」とか言い出したから、え?何?戦国BASARAって思った。

二昔前の漫画によく出てきそうな敵!!って感じの雰囲気。

正直、この時点で登場人物の名前覚えられる気がしねぇ…って不安しかなかったです。

主人公

またオレ何かやっちゃいました?状態の譲。

これ最初は絶対譲が主人公だと思うよね。

初読時「あ、オッケーこいつが主人公ね!」って思ってたけど

表紙見る限りでは黒髪が主人公っぽいし、「あれ?この子が主人公じゃないの?こっち?」って混乱した。

ややこしいよ!!

どういう路線で行くかまだ決まってなかったのかな?

ミラージュってマクドよく出てくるから、読んでたらハンバーガー食いたくなる。

そして、いきなり燃え出す少女。(怖すぎ)

森野さん可愛いよね!譲LOVEで元気いっぱいで。

桑原先生の書く女の子って80年代あたりの少女漫画みたいな子が多い印象。

しかも三つ編みおさげ!!

高耶と森野さんの関係性好き。

これ初読時は気にならなかったけど、直江さん、不法侵入してるの???

いきなり知らない黒スーツ男が家にいるの怖すぎるよ!!

あと初調伏シーンってここだったのか!

直江って高耶よりも先に譲と会ってたってのが意外。

 

 

初対面

高耶と謎の男(直江)の初対面シーン。

直江、澄ました顔してそうだけど内心めっちゃ嬉しいんじゃない?知らんけど。

今思うと森野さん、この2人の再会というめっちゃ歴史的瞬間に立ち会ってるな 羨ましすぎる。

そういえば土曜日も学校ある時代なのか。

譲にキュンキュンする森野さん、めっちゃ80年代少女漫画で可愛い(笑)

出たー!高坂弾正忠昌信(こうさかだんじょうのすけまさのぶ)!!(長ぇな)

高坂って第1巻の冒頭で誰よりも一番に登場してたんだな。完全に忘れとった。

高坂って毎回登場するたびに「美男子」とか「美貌」とか「赤い唇」って紹介されるからもっと女性っぽいのを想像しちゃうんだけど

絵が90年代のバンドマン風なんだよね(笑)

骨折れたモブ可哀想。

エキサイトしちゃったばっかりに…

景虎

川中島の合戦が起きた地。

ここでやっと「あ、この高耶って子が主人公なんだな」って納得した。

換生者や闇戦国の説明。

でも読みながら一番最初に思ったのは上杉景虎…誰!?だったなぁ(笑)

上杉景虎直江信綱もここで初めて名前を知った。

日本史、好きでもなければ嫌いでもないくらいの知識しかないから、誰やねん状態でした。

上杉謙信なら知ってるけど…なぜそんなマイナーな武将を主人公に!?って不思議でした(笑)

20巻まで読んだ今なら、桑原先生がなぜ景虎を主人公にしたのかよく分かるし、景虎の魅力も理解してるんだけど、最初はヤバい!名前覚えらんねぇ!って焦りました。

直江、高耶さんを車に乗せて走ってる時、内心ウッキウキだったんじゃないの?

よく平常心保ててたな(笑)

顔はスンッ…ってしてるけど、心の中では「やべーあの景虎様が隣にいるよやべー」って騒がしそう。

 

 

バトル

アクションシーンを文章で読むという経験が今まで無さすぎて、読むのが大変だった…

「映像で見たいなー」って思いながら頑張って読んだけど、結構面白かったです(笑)

でもアクションシーンは間違いなく漫画の方がいい。

迫力や躍動感がすごかった。

漫画での天守閣が燃え盛って譲(武田信玄)が笑いながら燃えよ燃えよ言ってるシーンは悪役顔すぎて面白かったなぁ(笑)

夜の街を彷徨う骸骨の武者達を相手に、高耶と森野さんが鉄パイプで奮闘するシーンはめちゃくちゃお気に入り。

少年漫画の第1話っぽくてワクワクした。(少年漫画じゃないけど)

高耶「ええ加減にせんかい!われェ!」

ここだけめっちゃガラ悪くて笑ったww

高耶と直江の2人で調伏シーンは胸熱展開で、特にここらへんの漫画版が最高に素晴らしかった…浜田翔子先生の絵が上手すぎた。

今考えると、これ森野さんがいなかったら詰んでたな…

 

 

まとめ

そういえばこんな始まり方だった。

この頃はまだ平和だったなぁって懐かしかったです。

まさかここからあんな展開(20巻)になるとは全然思わなかった。

BL目当てでこの本を手に取ったけど、あまりにもそんな気配が感じられなくて

「まぁ軽い匂わせ程度のBLなんだろうな〜」って思ってたけど、後に思いっきり裏切られました。

原作もいいけど、漫画の方もオススメ。

漫画版も読んだけどめちゃくちゃ原作に忠実でした。

些細な日常会話もちゃんと再現してて感動したし、何よりアクションシーンの迫力がすごかった。

漫画版は2冊に分けて、原作1巻の内容を収録。

炎の蜃気楼 1 (白泉社文庫)

炎の蜃気楼 2 (白泉社文庫)

漫画版も表紙めっちゃいいよね…!!

特にこの2巻の表紙、高耶さんのシャツのしわとか、肩とか…。

原作「わだつみの楊貴妃」までのイラストを担当した東城和実先生の絵も、この浜田翔子先生の絵も大好き。

そういえばなんでタイトルが「炎の蜃気楼」なの?どこかに書いてた?

最後の方に「青い蜃気楼」って出てきたけど、もしかしてこれのこと?

最終回で「炎の蜃気楼」が回収されるのかな?って一瞬思ったけど、あとがきを読む限りだと1巻の時点では続きを書けるか書けないかまだ分からない状態だったっぽい。

1巻の時点ではこんな長編になるとは思いもしなかったでしょうね。

作者も読者も(笑)

tamabl.hateblo.jp