たまいろ日記

BL感想ブログ

小説「憎らしい彼(美しい彼2)」【ネタバレ感想】オレ様もキモさもえち度もパワーアップ

「美しい彼」でめでたく恋人同士となった平良と清居。

私は恋愛ドラマでも恋愛漫画でも、2人がくっつくまでの過程が好きで、いざ2人がくっついたら急激に冷めるタイプの人間なんですけど

「美しい彼」の2人に関しては、めでたく結ばれて2人でラブラブ同棲生活♡みたいな普通のカップルみたいには絶対にならない、絶対何かが起こる…って思ってたので、続編である「憎らしい彼」を購入。

あと、当て馬キャラだった小山があの後どうなったのかも気になったし。

結果、買ってよかった。

憎らしい彼 美しい彼2【SS付き電子限定版】 (キャラ文庫)

なんと2日で読破できました!!!(着実に読むの早くなってきて嬉しい)

そして相変わらず葛西リカコ先生のイラストが美しい。

初っ端から美しいイラストがドドーンと目に飛び込んできて、思わず変な声出た。前巻よりもさらに絵が繊細で上手くなってる気がする。

ドラマしか観てないって人もいるでしょうが、「憎らしい彼」から読んでも全然OKな内容でした。

いや〜今回は爆笑ポイントが多かったなぁ。

 

 

あらすじ

書き下ろし番外編「安息はどこにある」収録。●目深な帽子に怪しいサングラスとマスク。付いた仇名は『不審くん』。新進俳優の清居(きよい)の熱心なファン――その正体は、同棲中の恋人・平良(ひら)だ。気持ち悪いほど愛を捧げてくるくせに、「俺は清居を引き下げる愚は犯さない」と、甘えたくても察してくれない。どうしてこんなヤツ好きになったんだ…? そんな時、業界屈指のカメラマンが平良を助手に大抜擢!! 清居より仕事優先の日々が始まってしまい!? ※口絵・イラスト収録あり

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感想

「不審くん」って誰だ…?まさか平良?いやそんなわけないよな。だって彼氏なんだから、わざわざ追っかけなんかしなくても半同棲してるんだからいつでも会えるし…

って思ってたらお前かーい!

せっかく恋人になったのに、なんで恋人になる前と同じように追っかけしてるのwww

平良が実はイケメンだということをスタッフに褒められて、

───ま、俺の男だけどな。

と、優越感に浸る清居がかわいい(笑)

従姉妹が帰ってくるから、平良と清居は今使っているこの家から出ていかなくてはならなくて

今月で清居とお別れだと、悲しみに打ちひしがれる平良。

もう初っ端から、平良の思考が意味不明。なんで新しい部屋を借りるという選択肢が思い浮かばないのか(笑)

清居はよくこんな面倒な思考の平良に呆れながらも構ってあげられるな。

「清居と自分は神の采配ミスレベルの釣り合わないカップルだから、このままだと清居に捨てられるか、自分が若くして死ぬかの二択」って…(笑)

幸せに浸っていたら、その分借金のように利息つきの不幸が襲ってくるかもって恐怖は、まぁ分からなくもないけど、さすがに極端すぎなんじゃ…?

平良の思考回路、相変わらず理解できるようで理解できない。

 

 

モンブランにひたすら栗をのせるだけのバイトってめちゃくちゃ楽そうだけど、こういう流れ作業バイトって色々考えちゃうから精神病んでくるって聞いたことある。(私の知人が流れ作業キツすぎて1日で辞めたって言ってた)

でも平良的にはこのバイトは合ってたっぽい。

この栗の一粒が、清居とふたりで暮らす部屋となる。

この栗の一粒が、清居とふたりで眠るベッドになる。

この栗の一粒が、清居とふたりで食べる食事になる。

この栗の一粒が、清居とふたりで入る風呂の湯になる。

これどういう思考なのwwww 笑いすぎてムリwwwwww

国語の教科書に載ってそうな詩を披露するなよ!

清居と恋人同士になったら平良のキモさは半減するんだろうなって思ってたけど、むしろ倍増してないか?

しかも仕事中こんなこと考えながら(おそらく恍惚なキモい表情で)デュフッて笑い方するんだから、そりゃあ向かいで作業してるおじさんもびくってなるわ。シンプルにキモい。

両親に清居のこと説明する時の平良が完全にオタク特有の早口長文で面白すぎたwwww

オタクは自分の推しが褒められたり布教できそうな相手だと、とにかく早口長文になる生き物…

まさか平良に対して吃音以外で共感性羞恥を発動するとは。

そして案の定、恋人同士になったけど平良の崇拝思考のせいでまた微妙にすれ違って清居を怒らせてる。

平良はアホの子なんか?学習しろや…(笑)

清居もなんで自分が怒ってるか説明しないからなぁ。

愛し合ってるのは間違いないのに、面倒くさいなぁこの2人。

平良のネガティブ思考を、「ネガティブ・オレ・サマ帝国」と呼ぶ清居、なかなかセンスある。

プロカメラマンの野口さん、最初は「なんだコイツ無理」って思ってたけど、普通にいい人だった。

平良の撮った写真を1枚見ただけで、両親や清居以上に平良の内面を見抜いてしまうのは、さすがプロカメラマン。

 

 

前巻のサブタイトル「美しい彼」は平良視点だったけど、この「憎らしい彼」は清居視点。

清居視点だと、平良の思考がますます意味不明でキモい。あまりの関白っぷりに清居が気の毒になってくるけど

清居も清居でツンデレだから、余計にこじれていってしまう。

結局、恋人同士になったけど2人のこじれ具合は全然成長してないやん…(笑)

──さあ、なんでもいいから俺を甘やかせ。

清居の心の声可愛すぎんか?

平良と一緒にご飯食べたくて誘いも断り急いで家に帰ったり、自分を求めてこないと拗ねたり、

清居奏の思考がいちいち可愛すぎる…

だからなんでそれを素直に口に出せないんだよ!!

───平良のきもうざめ、斜め上の気遣いをしてないで、もっと普通に俺の気持ちを推し量れよ。慰めろよ。抱きしめろよ。頭をなでながら「今日はバイト休もうか?」と聞いてこい。そしたらこっちは「俺のことはいいから、さっさといってこい」と気持ちよく言える。あいつは「じゃあ、行ってくる」と心配そうに背を向け、しかし振り返り、「なるべく早く帰ってくるよ」と頬にキスをする……みたいな流れがあってもいいんじゃないのか?それを、なにが城田のような愚は犯さないだ。おまえと城田は違うだろう。おまえは彼氏だろう。いつまでも底辺同級生域に引っ込んでないで、彼氏域に入ってこい!

清居がここまで妄想してるとは思わなくて爆笑wwwwww (城田懐かしすぎる…元気にしてんのかな)

それを本人に言っちゃえばいいのに。

お前はCV釘宮理恵ツンデレヒロインかよ。

…って思うけど、平良の行動と言動にイライラするのも分かる。

確かに崇拝対象の人の心を勝手に推し量るのはかなり自分勝手なんだろうけど、清居はお前の恋人であって崇拝対象じゃないんやで…

 

 

関白スタイルを貫く平良に対してイライラする清居。

太っちゃダメなのにエビコロッケを4つも食べちゃったり、お風呂でアヒル隊長を湯船に沈めてやったり、拗ね方が完全に子どもwwwwww

平良は清居を崇め奉りすぎて、恋人のはずなのに人間対象として見ていないし、

清居はツンデレヒロインだから素直に言えないし…

それぞれ違うタイプの自分勝手なオレさまカップルというのはなかなか面白い(笑)

清居と同じ事務所で先輩の女優・安奈がスキャンダルのせいで、平良の親戚の家に一時避難した時の平良がイケメンすぎた。

清居が生きる原動力であり、清居がこの世界に存在してくれればいい。

清居の存在こそが、平良の強みであり生きがいなんでしょうね。

「平良かっこいい…さすが主人公!」って思った矢先、平良の両親が訪ねてきて、うっかりボロが出そうな危なっかしい発言(おそらくまたオタク特有の早口で)してて「あ、やっぱり残念でキモいな…」って思った(笑)

そりゃこんな息子だったらご両親は心配になるだろうよ。

でもなんだかんだ言って、そういう気持ち悪いほどの熱烈な愛情や言葉よりも行動で示す平良の彼氏力の高さには喜びを感じている清居。

ここらへんの清居のモノローグは、完全にノロケでしたね。

 

 

後半はまさかのゲストキャラが大暴れでビックリした。

設楽さん、やけに印象に残るキャラだったから何かやらかしそうなだぁって思ってたけど、

思った以上に暴れ散らかしてました(笑)

オタクVSオタクの言い争い、それを見て「ふたりとも頭がおかしい。」と冷静な感想を心の中で述べる清居 という図がシュールすぎて笑った。

平良と設楽さん、やはり崇める対象は違えど同じオタク同士だからか、共鳴する部分はあるんだなぁ。

ここらへんのシーンは、是非とも実写で見てみたい。多分すごい迫力だと思う。

いつも従順なのに、清居を守るためなら「うるさい!早くいけよ!」って怒鳴ったり、危険を顧みず殴り合いをする平良(萩原利久)とか

涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら平良の名前を呼び続ける清居(八木勇征)とか見てみたいに決まってる。

人を殺しそうになっている人間を止めるために、自殺を勧めるというニュースタイルすぎる平良の説得方法には笑ったけど、「ファンでいること」についてはクソ気持ち悪いと思いつつも読みながら「あ、分かる…」って思ってる自分もいました。

平良って意味不明な言動が多くて一般人には理解不能なところあるけど、オタク(推しがいる人)になったことが一度でもあるなら、平良の気持ちなんとなく分かるかもしれない。

 

 

P.256〜257の清居の告白が男前すぎて萌えました。

お互いオレ様同士の2人。

前巻もそうだったけど、結局最後はツンデレ清居が折れて、平良へ自分の気持ちを素直に伝えるんですね。

平良に翻弄されてる清居が気の毒だけど可愛い。なのに男前。

 

エピローグ、こんなチャンスを目の前にして、超絶ワガママを言う平良。コイツ強すぎん?勇者か?

清居に説教されるけど、傍から見たらただの痴話喧嘩wwww

野口さんが良い人で本当によかった。今回で初めて登場したキャラで一番好きなのは間違いなく野口さんです。

ラストのシーンがすごく良かった。前巻以上に心に残る終わり方。

 

 

まとめ

案の定、噛み合っていない2人だった(笑)

しかも平良は前巻以上に気持ち悪いし、清居は前巻以上にツンデレ感増してるし…

オレ様同士の恋愛ってこんなに面倒くさいものなのかよ!さすがにここまで酷くならんやろ!って笑いながら読みました。

凪良先生、どんだけ気持ち悪い攻めが好きなんだよ!(あとがき)

平良の気持ち悪さは完全に凪良先生の性癖なんですね。

セッ…シーンも前巻からえち度がパワーアップしてました。絵も超絶耽美で見応えあった。楽しそうで何より(?)

平良が社会的な面で少し成長できたってことは喜ばしいし、ラストシーンは感動したけど

結局平良が清居の気持ちを理解する努力をあまりしないまま終わってしまった。

これは次巻の「悩ましい彼」で掘り下げられるかな?

悩ましい彼 美しい彼3 (キャラ文庫)

平良の両親のことも気になる。息子が清居と付き合ってるってこと、薄々感づいてそうですね。

是非「憎らしい彼」もドラマ版のキャスト陣で続編作ってほしい。

清居が平良のことを「俺の彼氏」じゃなくて「俺の“男”」って言い方してるの、すごく興奮した(笑)

平良(萩原利久)のことを心の中で「俺の男」って呼んで優越感に浸る清居(八木勇征)が猛烈に見てみたいです。